韓国人との国際結婚の手続
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*韓国人国際結婚手続き2

Q:韓国で日本人と韓国人が韓国法で創設的に婚姻する場合の典型的な手続(形式的成立要件)について、日本で日本人と韓国人が日本法で創設的に婚姻する場合の典型的な手続(形式的成立要件。法例13条2項3項。)と比較して下さい。(試論)2005Aug21
A:

 

韓国法の手続

日本法の手続

当事者出頭の要否*1

不要

不要

婚姻手続の担当機関*2

市区邑面

市区町村(戸籍課等)

婚姻登録の要否*3

要届出*3

要届出

成立時期*4

婚姻届受理時*4

婚姻届受理時(届出日に遡及)

婚前健康診断の要否*5

5

不要

成年の証人二人の要否*6

6

必要(民法7392項。なお、7422号但書に注意。)

所用時間*7

7

資料の揃い具合等により差異がある。

婚姻の証明手段*8

8

婚姻届受理証明書、戸籍謄本、婚姻届(書)記載事項証明書

カウンセリングの類*9

9

不要


*1 韓国法では、当事者の出頭は要件ではない。他方、日本法でも、当事者が出頭する必要はない。したがって、婚姻届に署名等がしてあれば、第三者(使者)が持参してもよいことになる。また、日本、韓国いずれも、(基本的には)郵送も可能である(理論的に郵送の法的性質は使者である。なお、韓国法の「郵送」につき、金容旭他著「新しい韓国・親族相続法」53頁。日本法の「郵送」につき、レジストラ111・36、奥田安弘他訳「フィリピン家族法」27頁。)。ただ、婚姻挙行地の解釈は問題として残存するであろう。
 ここで、興味深いのは、日本の国際私法の(実務の)解釈では、日本人Aと外国人Bが外国に在って、そこから婚姻届を日本の市区町村へ「直接」郵送し、創設的婚姻届をした場合は有効なのに(前掲レジストラ111・36、さらに同111・83)、逆に、日本人Aが日本に在る場合、日本から外国の政府へ郵送で送っても、これは創設的婚姻届として有効と認容できない点である(レジストラ111・88)。

[法例](参考)
第十三条 婚姻成立ノ要件ハ各当事者ニ付キ其本国法ニ依リテ之ヲ定ム
2 婚姻ノ方式ハ婚姻挙行地ノ法律ニ依ル
3 当事者ノ一方ノ本国法ニ依リタル方式ハ前項ノ規定ニ拘ハラズ之ヲ有効トス但日本ニ於テ婚姻ヲ挙行シタル場合ニ於テ当事者ノ一方ガ日本人ナルトキハ此限ニ在ラズ

*2 韓国の「市区邑面」は日本の「市区町村」にほぼ対応するとされる(地方自治制度については、http://www.klafirtokyo.org/jpn/ 。なお、「在日コリアン暮らしの法律Q&A」44頁。)。

*3 韓国法でも基本的に必要と解される(韓国民法812条1項)。

*4 日本法と同様、「受理」という概念が説明されている(金容旭他著「新しい韓国・親族相続法」53頁。)。なお、日本法のように、「受理」と「受け付け」等の概念区別はあり得よう。

*5 韓国民法では、規定は明文では見受けられない。

*6 韓国では成年者の証人二人の連署が必要で、日本民法と類似の規定がみられる(韓国民法812条2項)。なお、この日本民法の「成年の証人二人」と未成年婚の父母の同意(日本民法737条1項)は別の事柄である。

*7 韓国以外の外国にみられるような熟慮期間の類は、韓国民法では、規定は明文では見受けられない。なお、資料の揃い具合等により「現場」で差異がありうることは、日本と類似するであろう。

*8 形式的成立要件ではないが、便宜上併せて掲げておいた。在韓国日本大使館筋では韓国の「戸籍謄本」が援用されている。この点、日本のような受理証明書等の概念もあり得るが、日本の戸籍実務では通常、意識する必要が無いので、日本ではあまり問題にならない。
なお、韓国で先に婚姻した場合、婚姻時に、日本での(報告的)婚姻届出用に、併せて、韓国人の出生証明書等を日本政府側から要求される場合は稀であろう。韓国人との婚姻事案には、日本政府側が慣れているせいもあるが、身分証明は韓国の戸籍謄本で足りるのである。
なお、このような場面の場合、韓国人側の各種身分証明関連書類は、日本の婚姻届用と、入管用に複数部取り付けておくことが望ましい。なぜなら、日本の婚姻届の役所と入管は全く別の役所だからである。そして、入管は、婚姻の証明としては、日本側(戸籍)と韓国側(婚姻を証する書面)の両面を観るのが原則である(在特の場面は別途の考察が必要。)。もっとも、届書記載事項証明書を使えば、入管に出す身分証明書の部数が足りないのを補う効果はある(但し、届書記載事項証明書は、発行の要件につき、市区町村が勘違いしている場合があり、発行を渋るケースが多い。)。

*9 外国の立法例では、夫婦でカウンセリング(夫婦生活の心構え等の。)を受講することを要件にする国があるが、韓国民法の明文では存しない。
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